「なろう小説」への偏見とか無職転生の感想とか
「無職転生」という小説をしっているだろうか?先日読破いたしました。
素晴らしい。
物凄い小説である。
何で今まで食わず嫌いしていたのだろう?
自分と同じような人はいっぱい居ると思うので色々と書いてみる。
「なろう小説」への偏見とか無職転生の感想とか

無職転生とは「小説家になろう」というサイトで連載されていた小説である。
なんだろう、同人誌?私小説? 呼び名は色々とある。
素晴らしい。
物凄い小説である。
何で今まで食わず嫌いしていたのだろう?
自分と同じような人はいっぱい居ると思うので色々と書いてみる。
「なろう小説」への偏見とか無職転生の感想とか

無職転生とは「小説家になろう」というサイトで連載されていた小説である。
なんだろう、同人誌?私小説? 呼び名は色々とある。
無職転生 - 異世界行ったら本気だす - - 小説家になろう
(https://ncode.syosetu.com/n9669bk/)
この「小説家になろう」というサイトが40前後のオタクには本当に評判が悪い。
なんというかネタ扱い。
「文章力ないんでしょ」
「世界のレベルが低くて足し算引き算できるだけでヒーローになる」
「第一話でトラックに轢かれて死ぬんでしょ?」
この年代は「スレイヤーズ」とか「ロードス島戦記」とか。いわゆるライトノベルは思春期にいっぱい読み込んで来た世代なのだけれども。
「小説家になろう」というサイトは、ユーザーが小説をup出来るサイト。まぁなんというか同人小説発表場所です。
玉石混交。色々なのがある。
うちも見る前は噂を鵜呑みにしていた。
有名なのは「やたらトラックに轢かれて転生する話が多い」という事。
カトゆー先生の調査とかが記憶に新しいかなぁ。
転生トラックの元ネタを探しに行った - カトゆー家断絶
「日野の2トン」という言葉も生まれてしまった
なんだろう、
「俺にもかけそう」
「取り敢えず異世界に行って異能力得ないと」
でもって「第一話で主人公が死ぬ」が当時のテンプレ化してしまった感がありますね。
・異世界転生モノの素晴らしさ
色々な異世界転生モノを読みましたけど。
うあぁ、と思うようなものもあれば、素晴らしすぎるモノもある。
なんだろう。「大河ドラマが描きやすい」のが異世界転生なのかなとは思いました。
たとえば「戦国時代に自衛隊の戦力があったら」とか思ったら、どこに転移するかとかは史実でかなり制限される。そうなると、「史実ではこうなる結果がこうなった」みたいな「史実との比較」がメインになってしまうんですよね。
そうなると「架空戦記モノ」というジャンルになってしまう。
異世界。新たな風習を放り込むとどう世の中が変化するのか?
その辺りは舞台が異世界なら好きなように設定できる。
好きなように調理できる。
そこら辺が流行る理由でもあるんだろうなぁと。
あとは
「異世界召喚モノだといつまで経っても異分子」
「異世界転生モノは戸籍がしっかりしている」
これが本当に大きいんですよ。
異世界転生は「中身は日本の常識を持った主人公」が「異世界でしっかりとした戸籍、血のつながった両親がいる」
なんというか、地に足を付いた生活が描けるし、日本の常識で細かい所は描写しないですむ。
とてもよく出来たテンプレなのかなぁなどなど。
・無職転生のお話
約3年間連載して・・
ちゃんと完結して・・
「無数に同人小説がある『なろう』で累計1位を約5年守る」という恐ろしい小説。
(wikiにて2013年10月から2018年1月現在まで累計1位の記述アリ。その後は未調査)
なろう小説読み始めてから「有名だから読んでみようかなと思ったものの後回しにしていた」不動の1位小説です。
これが・・ とにかく凄かった。
1、最悪の第1話
みんなが面白い面白い言うのに。第1話でくじけそうになりました(´Д`)
いや、なろうテンプレ通り、主人公が死んで異世界転生するまでのお話なのだけど・・
「とにかく最悪な生前」が詳しく描写されてて辛い。きつい。もういや。
ここでくじけて読まない人もいっぱい居るのかなと思ってしまった。自分もくじけそうになった。
とにかくトラウマを刺激するようにできている1話。
「主人公ルーデウスが生前に死ぬまで前世ではこんなだった」がしっかり書かれている。
ちなみに名前は出てこない。
ファンサイトでは「無職ニート氏(仮)」と呼ばれている。
いや、最悪なのだけども。
「だからこそ、次は本気出す!」のモチベーション維持には必須だし、
この1話があるからこその物語。
伏線にもなってる。
1話でくじけないように頑張って読んでほしい。
2、チート能力
「死んだときに神様にチート能力貰いました」が流行った気がしますが・・
ルーデウスはチート能力は何もなく、前世の記憶と大人の精神力があるだけ。
ただコレが大事で・・
「一般的には魔力は伸びないと思われている」だったのが
「子供のころから魔法を使うとMP増える」
だったので、とにかく毎日MPを空にして最大MPを増やし続ける。
そこそこ裕福で素敵な両親に恵まれ、家庭教師もつけてもらえて・・
ひたすら本人の努力で能力が伸びていく。
「物凄いMPが高い」がルーデウスの長所になる。
前、何かで読んだんですよね。
「努力と根性はストレス溜まるから売れるラノベの作り方としては禁止」とかそんな内容。
それの真逆を行く展開。幼児期からの努力がチート能力。物凄く異色。
3、大災害
主人公ルーデウス視点での生活、子供の知識レベルで世界の成り立ちやルールをちょっとずつ知っていく。
ルーデウスに感情移入してしまった。
そんななか・・
主人公ルーデウスが10歳の若さで。
物凄い大災害に巻き込まれる。
読んでいて思い出したのは3.11 現在のディザスター小説。
ルーデウスは生きるために。今まで磨いた能力や前世の大人的精神力で切り抜けていく。
大災害の後からは本当に引き込まれた。
次々に事件が起こる。
巧妙に張られた伏線、人生の出逢い。物凄いボリュームと移動距離の小説だった。
4、人生の再体験
主人公ルーデウスは生まれ変わりとして生を受け。
両親の愛を受けて育ち。
さまざまな別れを経験し。
結婚し子供に恵まれ。
恨まれ敵を作り。
就職し組織に属し。
自分を育てた父の気持ちを知る。
無職ニート時代には知りようが無かった人生を転生の末に体験する。
素晴らしいお話だった。
そして・・ ルーデウスは勇者でもなんでもない。MPが物凄く高い男。
そんな彼は人脈で生きていく。
チート能力ももちろんあるのだけれども、色々な人と出会い、頼る。
そうして様々な人生に関わっていく。
濃厚だった。とても濃厚だった。
連続で1位を取るのも良くわかった。
完結後の短編集。
削除されたお話もあったりしたけれども。
ルーデウス一族の今後が少しずつ語られる。
読後感が凄い。
人の人生を再体験することができる。そんな小説は久しぶりだった。
なろう小説だからと馬鹿にしてはいけない。
玉石混交で無数の小説が有る中で、無職転生のような傑作も存在する。
なろう小説。今後も読んでいきたいと思います。
~個人の感想(解説ナシ)~
なろう小説は作者のギャグが寒いって意見をよく目にするけど、なろう小説というより無職転生の事ではないかと思って見たり。
現代日本の話が何の説明もなく入るんですよね。「知っておるのかライデン」などなど。
ただ、これは「主人公ルーデウスの中身は等身大アラフォーなんだよ」って属性紹介になってるとは思う。
あと作者様、ロマサガ好きだよね多分。あと構成とかで思ったのはドラクエV。なんか同世代って感じが凄くて大好き。
魔導鎧はイメージ的にはFF6だったなー。ファンタジー世代でモビルスーツというのはとても良い良い。
取り敢えず今日はここまで。
普段はTwitterに居ます。
@daizu1977さんをフォロー
(https://ncode.syosetu.com/n9669bk/)
この「小説家になろう」というサイトが40前後のオタクには本当に評判が悪い。
なんというかネタ扱い。
「文章力ないんでしょ」
「世界のレベルが低くて足し算引き算できるだけでヒーローになる」
「第一話でトラックに轢かれて死ぬんでしょ?」
この年代は「スレイヤーズ」とか「ロードス島戦記」とか。いわゆるライトノベルは思春期にいっぱい読み込んで来た世代なのだけれども。
「小説家になろう」というサイトは、ユーザーが小説をup出来るサイト。まぁなんというか同人小説発表場所です。
玉石混交。色々なのがある。
うちも見る前は噂を鵜呑みにしていた。
有名なのは「やたらトラックに轢かれて転生する話が多い」という事。
カトゆー先生の調査とかが記憶に新しいかなぁ。
転生トラックの元ネタを探しに行った - カトゆー家断絶
「日野の2トン」という言葉も生まれてしまった
転生トラックについて調べてたらレベルファイブ作品は毎回キャラを轢き殺そうとするトラックを出すことに気づいたので、こういう演出を日野の2トンと呼ぼうと思います pic.twitter.com/z352O8WBsN
— 加藤優美清春香菜 (@katoyuu) 2016年2月23日
なんだろう、
「俺にもかけそう」
「取り敢えず異世界に行って異能力得ないと」
でもって「第一話で主人公が死ぬ」が当時のテンプレ化してしまった感がありますね。
・異世界転生モノの素晴らしさ
色々な異世界転生モノを読みましたけど。
うあぁ、と思うようなものもあれば、素晴らしすぎるモノもある。
なんだろう。「大河ドラマが描きやすい」のが異世界転生なのかなとは思いました。
たとえば「戦国時代に自衛隊の戦力があったら」とか思ったら、どこに転移するかとかは史実でかなり制限される。そうなると、「史実ではこうなる結果がこうなった」みたいな「史実との比較」がメインになってしまうんですよね。
そうなると「架空戦記モノ」というジャンルになってしまう。
異世界。新たな風習を放り込むとどう世の中が変化するのか?
その辺りは舞台が異世界なら好きなように設定できる。
好きなように調理できる。
そこら辺が流行る理由でもあるんだろうなぁと。
あとは
「異世界召喚モノだといつまで経っても異分子」
「異世界転生モノは戸籍がしっかりしている」
これが本当に大きいんですよ。
異世界転生は「中身は日本の常識を持った主人公」が「異世界でしっかりとした戸籍、血のつながった両親がいる」
なんというか、地に足を付いた生活が描けるし、日本の常識で細かい所は描写しないですむ。
とてもよく出来たテンプレなのかなぁなどなど。
・無職転生のお話
約3年間連載して・・
ちゃんと完結して・・
「無数に同人小説がある『なろう』で累計1位を約5年守る」という恐ろしい小説。
(wikiにて2013年10月から2018年1月現在まで累計1位の記述アリ。その後は未調査)
なろう小説読み始めてから「有名だから読んでみようかなと思ったものの後回しにしていた」不動の1位小説です。
これが・・ とにかく凄かった。
1、最悪の第1話
みんなが面白い面白い言うのに。第1話でくじけそうになりました(´Д`)
いや、なろうテンプレ通り、主人公が死んで異世界転生するまでのお話なのだけど・・
「とにかく最悪な生前」が詳しく描写されてて辛い。きつい。もういや。
ここでくじけて読まない人もいっぱい居るのかなと思ってしまった。自分もくじけそうになった。
とにかくトラウマを刺激するようにできている1話。
「主人公ルーデウスが生前に死ぬまで前世ではこんなだった」がしっかり書かれている。
ちなみに名前は出てこない。
ファンサイトでは「無職ニート氏(仮)」と呼ばれている。
いや、最悪なのだけども。
「だからこそ、次は本気出す!」のモチベーション維持には必須だし、
この1話があるからこその物語。
伏線にもなってる。
1話でくじけないように頑張って読んでほしい。
2、チート能力
「死んだときに神様にチート能力貰いました」が流行った気がしますが・・
ルーデウスはチート能力は何もなく、前世の記憶と大人の精神力があるだけ。
ただコレが大事で・・
「一般的には魔力は伸びないと思われている」だったのが
「子供のころから魔法を使うとMP増える」
だったので、とにかく毎日MPを空にして最大MPを増やし続ける。
そこそこ裕福で素敵な両親に恵まれ、家庭教師もつけてもらえて・・
ひたすら本人の努力で能力が伸びていく。
「物凄いMPが高い」がルーデウスの長所になる。
前、何かで読んだんですよね。
「努力と根性はストレス溜まるから売れるラノベの作り方としては禁止」とかそんな内容。
それの真逆を行く展開。幼児期からの努力がチート能力。物凄く異色。
3、大災害
主人公ルーデウス視点での生活、子供の知識レベルで世界の成り立ちやルールをちょっとずつ知っていく。
ルーデウスに感情移入してしまった。
そんななか・・
主人公ルーデウスが10歳の若さで。
物凄い大災害に巻き込まれる。
読んでいて思い出したのは3.11 現在のディザスター小説。
ルーデウスは生きるために。今まで磨いた能力や前世の大人的精神力で切り抜けていく。
大災害の後からは本当に引き込まれた。
次々に事件が起こる。
巧妙に張られた伏線、人生の出逢い。物凄いボリュームと移動距離の小説だった。
4、人生の再体験
主人公ルーデウスは生まれ変わりとして生を受け。
両親の愛を受けて育ち。
さまざまな別れを経験し。
結婚し子供に恵まれ。
恨まれ敵を作り。
就職し組織に属し。
自分を育てた父の気持ちを知る。
無職ニート時代には知りようが無かった人生を転生の末に体験する。
素晴らしいお話だった。
そして・・ ルーデウスは勇者でもなんでもない。MPが物凄く高い男。
そんな彼は人脈で生きていく。
チート能力ももちろんあるのだけれども、色々な人と出会い、頼る。
そうして様々な人生に関わっていく。
濃厚だった。とても濃厚だった。
連続で1位を取るのも良くわかった。
完結後の短編集。
削除されたお話もあったりしたけれども。
ルーデウス一族の今後が少しずつ語られる。
読後感が凄い。
人の人生を再体験することができる。そんな小説は久しぶりだった。
なろう小説だからと馬鹿にしてはいけない。
玉石混交で無数の小説が有る中で、無職転生のような傑作も存在する。
なろう小説。今後も読んでいきたいと思います。
~個人の感想(解説ナシ)~
なろう小説は作者のギャグが寒いって意見をよく目にするけど、なろう小説というより無職転生の事ではないかと思って見たり。
現代日本の話が何の説明もなく入るんですよね。「知っておるのかライデン」などなど。
ただ、これは「主人公ルーデウスの中身は等身大アラフォーなんだよ」って属性紹介になってるとは思う。
あと作者様、ロマサガ好きだよね多分。あと構成とかで思ったのはドラクエV。なんか同世代って感じが凄くて大好き。
魔導鎧はイメージ的にはFF6だったなー。ファンタジー世代でモビルスーツというのはとても良い良い。
取り敢えず今日はここまで。
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